篝火文庫 ~ SOUL'S LORE ~

ゲームの考察、妄想、雑文、戯言

【Bloodborne】アリアンナの考察:娼婦の真実、少女性の伏在と聖堂街の地理的考察【ブラッドボーン】

状況証拠が揃いすぎて存在が自明のため考察されることの少ないアリアンナの考察を行います。
そして複雑で大変ややこしくなったので、まず最初に結論から行きます。

 

◆結論
・アリアンナはカインハーストの血脈である
・カインハーストの血脈ではあるが、穢れた血の血族ではない
・アリアンナは処刑隊がカインハーストを滅ぼした時に連れ出された子女の1人である
・上層の孤児院で教育を受けていたが、脱走した
・カインハースト系の人間が多く住む聖堂街の一角で匿われ、隠れ住んでいた
・まともな職に付けず、もしくは貴種性から求められ、娼婦となった
・ヤーナムにおける娼婦とは、セックスワーカーではなく、非公式な血の提供者、闇血の聖女だった

では、なぜこのような結論に至ったか、ご覧ください。

 

◆前提
・聖堂街の外れで娼婦をしている
・カインハースト貴族のドレスを着ている
・夜にオドン教会に移り、血を提供してくれる
・「不似合いな、かわいらしい」靴を大切に持っている
・その血は特別で赤い月の影響で上位者の子供を身ごもる
・早産気味に軟体生物を出産し、発狂する

 

◆ヤーナムにおける娼婦とは何か
彼女は娼婦ですが、ヤーナムにおける娼婦は我々がイメージするような職業ではないでしょう。
ヤーナムにおける娼婦の仕事とは、彼女がプレイヤーに行っていたこと、
すなわち、「血」を相手に提供することではないでしょうか。
アイテム「血の酒」のフレーバーの通り、この街では酒ではなく血に酔う、血とは快楽なのです。

血を与える、という行為に対しての、周囲のNPCの反応を見てもわかります。

アデーラは、
なぜ焦がれる狩人に血を渡したのか、それは愛の表現に他ならない
狩人に血を与えたアリアンナを何故殺したのか、それは嫉妬に他ならない

他者の血を取り入れる、というのはヤーナムにおいて性交に等しい、もしくはそれ以上の行為だった。

彼女は娼婦だが、分類としてはセックスワーカーではなくは、医療教会における「血の聖女」と同じ仕事を生業としていた。

アリアンナ家前に転がる輸血瓶、セックスワーカーのためのものではない

 

◆アリアンナの出生
作中のフレーバーを丁寧に読み解くと、彼女がカインハーストの末裔であることが仄めかされています。

・自宅兼店舗にかかっていた看板がカインハーストの紋章と近しいこと
・ヤーナムの民と違い、色素が薄いこと
・名前の法則性がカインハースト系であること(アンナリーゼ、アルフレート)

これらを丁寧に読み解いていけば、彼女がカインハーストの末裔であることは自明と言っていいでしょう。

彼女はカインハーストの血を継ぐ人物だった

 

◆アリアンナは娼婦だが、娼婦はアリアンナの全てではない
また「いかにも不似合いな、かわいらしい」靴を持っているのは、彼女という人物の多面性を表しているのでしょう。
娼婦アリアンナ、とはアリアンナの1面でしかない。
なぜ、明るい色の大きなリボンの付いた靴を持っていたのか
これは推測になりますが、幼少期の抑圧の発露ではないでしょうか。

幼い頃に厳しい家庭で遊びを制限された人が、一人暮らしをしてタガが外れる
そういった環境に近しい状況に、彼女はあった

彼女は、かわいいものに憧れる幼少期、その憧れを達成できない、抑圧された環境に身を置いていた。

◆聖堂街広場脇「カインハースト通り」
アリアンナは聖堂街の外れといえる一角で娼婦という名の「血の聖女」をやっていた
実際にアリアンナの家以外にも、カインハーストの紋章を彷彿とさせる印章がある家も存在する。

敵モブは銃使いと獣化者の比率が高く、敵の構成にカインハーストっぽさを見ることもできるし、逆に教会に従順な人々にとっての嫌悪の対象として群衆が押し寄せたとも考えられる(実際に獣狩の群衆が聖堂街中央部でいるのは、あの区域だけである)

「医療教会に感謝する女」の家では、赤い月直後、「来ないで私の可愛い子」と叫んでおり、アリアンナと同じ状況に陥っている可能性がある

以上の状況証拠から、アリアンナが住んでいた一角、あの路地、あの通りには、カインハースト系の人間が多く住んでいた可能性が非常に高い。

 

◆彼女はなぜ、あの場所に居を構えていたのか
カインハースト系の人間が多く住む場所で、カインハースト系の女性が娼婦をやっていた。
まるで当然のようで、クオリアは全く不明瞭である、故に深堀りしていく。
そもそもなぜ、あの通りにカインハース系の人間が多く住んでいるのか。

 

説1:医療教会によって街の一角にカインハースト系の人間を住まわせ実験を行っていた。
説2:穢れた血が生まれる前、医療教会が根付く前から、城から離れて住んでいた人間が寄り合っていた

 

説1を前提仮説とすると
処刑隊による血族の抹殺、カインハーストの子供たちの誘拐、基準に満たない者たちの孤児院外での管理
という文脈が想定できる、そしてアリアンナは孤児院から、何らかの理由で今の場所に移り住んだ
「不似合いな、かわいらしい」靴を持っていたのも、孤児院時代の抑圧に対する発露と考察できる。

 

問題は、2つ


問題1
通りの家々にはカインハースト系の紋章が掲げられており、大っぴらで、誇っているようですらある
教会に完全に管理された被支配・被差別階級の人々であるようには思えない

 

問題2
通りは、医療教会への感謝を口にする人々ばかりだ
これは逆に、面従腹背、医療教会をよく思っていないことの裏返しで、
あの一角はアンチ医療教会なカインハースト系の特定氏族が占有するスラムだったのではないか

 

説1の整合性と問題1・2は部分的に対立する
・医療教会が継承元の1つである処刑隊を滅ぼした一族の意匠を玄関前に飾るのを許可するだろうか
・処刑隊が連れ去った孤児を、医療教会が反教会である元の氏族の集住地にリリースするだろうか
これらから、私は説2を支持したい。

しかし、アリアンナがここで生まれ育ったとは思えない。

あまりにも血の純度が高すぎる。

 

あの区域はカインハースト系の人間が多く住んでいたが、彼女は別の場所から来たと考える。

 

◆アリアンナはどういう経路を辿って、ゲーム本編に出演したか
アリアンナはやはりカインハースト系だ、それも恐らく純血である。
年頃から考えても、彼女は処刑隊が連れ去ったカインハーストの子供たちの一員だったと思う。
そして上層で教育を受けた、その時の抑圧がかわいらしい靴として発露した。
しかし、彼女はおそらく逃げ出したのだと思う。
そして、近しい氏族が集住する地に隠れ住むも、まともな職には就けなかったか、その貴種性から求められ、娼婦となった。

(現実のスラム経済を考慮すると、あの一角のカインハースト系の人々は、アリアンナの「娼婦」としての収入に支えられていた可能性すらある)
彼女は娼婦と言う名の、非公式な血の聖女として生計を立てていた。
そしてゲーム本編、特別な獣狩りの夜、主人公と出会った。

 

◆余談:なぜ教会の実験ではなく、脱走であると考えるか
彼女が上層で教育を受けていたであろうことは、靴のフレーバーから確定的な仮説として扱いたい
彼女があの場所にゲーム本編居たことは、上層からの脱走でなくとも、教会による実験的なものであった可能性もある

だが、アンチ医療教会のカインハースト系の人間が住む場所に置くメリットはまるで無い、デメリットしか無い
彼女はあの区域の、血脈を同じくする人々に匿われていた、と考える方が妥当性が高い